愛知県の工業高校が変わる!「工業」から「工科」へ 工業高校出身の塾長が詳しく解説!

 

 

皆さん、こんにちは未来義塾の守田です。

 

先月11月22日、愛知県の教育委員会が県立工業高校13校の名称を再来年4月から工科高校に変更する方針を発表しましたよね。

 

科学も、知識も学び、産業界の技術革新に対応できる人材育成を狙って工業高校の名前を一斉に変更するというのは全国で初めてだそうです。

 

今日のブログでは、工業高校出身の塾長である守田が、なぜこのタイミングに工業高校の名称を工科高校と一斉に変更したのか詳しく解説していきたいなと思います。

 

 

昔の工業高校のイメージというと・・・・

 

 

昔の工業高校のイメージは、あまり良くない感じがしますよね。

 

不良だらけの工業高校を舞台としたドラマや映画、そしてヤンキー漫画にも大抵工業高校が登場します(笑)

 

私が高校生の時も、毎日緊張の連続でした。(笑)

 

ですが、今は実際の工業高校は真面目な人が多いですよね。

 

そして、こういった理数工学系人材を育成するために最先端の技術を学べることができる環境が学校側に備わっています。

 

以前も工業高校の恩師を交えてクラス会に出席した時、恩師から工業高校の先生達が本気で技術者を育成するために、どれだけ熱い情熱を注ぎ、そして育った子供達がエンジニアとして日本の産業を支えているのか、聞かせていただきました。

 

 

京都大学など、国公立大学16名合格!「愛知総合工科高等学校」

 

以前の工業高校とイメージが違うといえば、愛知工業高等学校と東山工業高等学校を統合して2016年4月に、千種区に開校した愛知総合工科高等学校ですね。

 

 

例えば、高校卒業後の進路という点でも、今までの工業高校とはイメージが違います。

 

なんと昨年の卒業生の進路は、進学者数が173名。就職者が191名。

 

その内、進学合格先には、京都大学に1名、愛知県立大学に2名、名古屋大学に1名など国公立大学に16名が合格しています。

 

就職先の多くは、トヨタ、アイシン、デンソーなどに就職しているようです。

 

工業高校の進路といえば、8割程度が就職で、大学などに進学する生徒はほんの一部でしたが、約半数の生徒が進学し、その内センター試験を95名が受験する工業高校は過去にはありませんでしたね。

 

 

全国初!「工業」から「工科」へなぜ名称変更するのか?

 

全国に工科高校と呼ばれる学校は18校しかないのですが、愛知県は県内に13校の工業高校を全て「工科」に変えようとしています。

 

これだけでも、愛知県の気合いの入れようが伺われますが・・・・

 

その理由っていうのが、愛知県の教育委員会の方で11月25日(月)に発表された「新時代に対応した県立工業高校の校名変更と学科改編について」にはこんなふうに記載されています。

 

「愛知県ではグローバル化デジタル化の進展に伴う産業界のニーズの変化を踏まえ2021年4月より県立工業高等学校に新たな学科・コースを創設し、 募集単位を見直します。

 

また、この工業高等学校の再編により、工業教育の内容が大きく進化することを機に、新たな時代にふさわしい学校名に改称します。 

 

私なりにその理由を簡単にまとめると2つあって

 

1つ目は、

急速に進む技術革新に対応できる人材を育成したい。

2つ目は

日本一のものづくり県である愛知県のさらなる発展につなげていきたい。

 

 

愛知県は、全国No1のものづくり県!

 

愛知県って皆さんご存知のようにものづくりナンバーワンっていわれてる県なんですね。

 

ちょっと耳慣れない言葉だと思いますが経済産業省が発表している”工業統計調査”ってのがあるんです。

 

でぇ、この調査によると製造品出荷額これ愛知県は全国第1位で、40兆円以上あり全国の約14%程度を占めてるんですね。

 

これは、約40年連続日本一という記録なんです。(第2位が神奈川県で17兆円。)

 

ちなみに従業員数については約8万人で、第2位の大阪の約4万5千人と比較しても全国第1位というのがよく分ります。

 

 

愛知県の工業高校の現在の就職状況

そんなモノづくり日本一の愛知県の工業高校の就職状況は、全体の82%が就職。

 

就職者数は30,304名でこれは全国第1位の人数となっています。

 

離職率も非常に低く、即戦力であって企業からの需要ニーズも非常に高いそうです。

 

一方で女子の比率は8%。

 

この数字は極めて低く、女性の活躍を推進するものづくり企業の需要に応えられる生徒数が少ないといわれています。

 

つまり企業から、工業高校でより多くの先端技術に対応できる技術者を育成してほしい。

また、女性の社会進出を手助けするものづくり女子の育成という強い要望があるんですね。

 

 

 

でも、工業高校に入学希望する生徒数が減少傾向

 

今、工業高校の募集状況というのは、以前の時よりも志願者数が近年減少傾向にあるんです。

 

だから工業高校の魅力をキチンと伝え、志願者数の確保がすることが大きな課題になっているんですね。

 

企業の要望に応え、未来を見据えたものづくり教育を推進していくために 、やるならダイナミックに思い切ってやろうと愛知県は考えたようですね。

 

下記に新設された学科と改編された学科を記載しておきます。

 

 

 

学科改編と新たな学科とコースの創設

 

新たな学科とコースの創設

産業界のニーズの変化を踏まえ現在の学校を見直し新たな学科コースを設置しますまたロボット工学科を豊橋工業高校学校一行から7校に拡大。

理工科(1校)・ IT 工学科{4校)・環境科学科(4校)・ロボット工学科{7校)・生活コース科{8校)

 

学科名の変更

「情報技術科」及び「情報システム科」⇒ 情報デザイン科

「建築科」⇒建築デザイン科

「 土木科」⇒都市工学科

に科名変更します

 

実施時期

2021年4月 

 

 

 

如何でしたか?

 

工業高校出身の塾長が、分かりやすく、細部にわたって今回の「工業」から「工科」への名称変更について解説してみました。

 

私の高校生時代も、言う程工業高校のイメージは悪くなかったと思います。

 

周りの同級生は、結構トヨタ系の関連会社に就職が決まった子が多かったし、私は大学へと進学し、高校のうちに公害防止管理者などの国家資格も取得しました。

 

学年が上がる度に、専門性の高い科目が増え、製図や1日実験などをする自習やレポートなど普通科では経験できない授業が受けれたのは楽しかったですね。

 

今日の記事が、工業高校を受験することを考えている生徒諸君やそのご父兄の参考になればと思います。

 

では、今日はこの辺で・・・・

 

 

 

 

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守田 智司

愛知県蒲郡市にあるハイブリット学習塾/未来義塾の塾長。10代で愛知県から大阪、東京まで自転車で走破!大学中は、バックパック1つで、アメリカ1周。卒業後、アメリカ・アトランタにて「大工」を経験。帰国後15年間、大手進学塾の教室長・ブロック長として教壇に立ち、2005年独立。 大型自動二輪、小型船舶2級免許所得。釣り、ウォーキングが好き!作家は、重松清さん、音楽は、さだまさしさんが好き。「質より量より更新頻度」毎日ブログを更新しています。