2025年度大学入試共通テスト変更点と求められる能力について解説!

 

大学入試のあり方が大きく変わろうとしています。

 

2025年度の大学入学共通テストでは、これまでの知識中心の試験から一歩進んだ、思考力と判断力を問う新しいスタイルが導入されます。

 

この変革は、社会の急速な変化やAIの進化に対応するためのもので、これからの受験生にとっては大きな挑戦です。

 

従来の枠にとらわれない、多角的な視点と論理的なアプローチが求められる新しい試験制度に向けて、私たちはどのように準備していくべきなのでしょうか。

 

まずは、2025年度共通テストの変更点について簡単にまとめてみました。

 

変更点概要

 ※教科・科目の再編: 出題教科がスリム化され、7教科21科目に再編されます。

(1)新教科「情報」の追加: 特に国公立大学では、これを含む6教科8科目の受験が原則となります。

(2)国語の変更: 試験時間延長、問題構成と配点の変更が行われ、大問数が増え、多様な文章が扱われる。

(3)数学の統合: 「数学Ⅱ・B・C」が統合され、試験時間が延長され、「複素数平面」が復活します。

(4)理科の統合: 「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」が1科目として統合されます。

(5)満点の変更: 共通テストの満点が900点から1000点に変更。

 

 

変更の理由

 

これらの変更は、社会の変化と技術の進化に対応するためです。

 

AIの進化とグローバル化が進む現代社会では、単なる知識の暗記ではなく、「思考力」「判断力」「表現力」が重要視されています。

 

学習指導要領は約10年ごとに改訂され、時代に即した教育内容に更新されています。

 

AIの登場により、より複雑な問題解決能力や論理的思考が求められるようになり、それに応じた試験内容に変更されているのです。

 

 

これからの受験生に求められる能力

 

 

思考力
複雑な問題に対して多角的に考える力が必要です。たとえば、2025年度の共通テストでは、「情報」や「社会問題」に関連した問題が出題され、単なる知識だけでなく、問題解決のプロセスを重視します。

 

判断力
複数の視点から情報を分析し、自分の意見を論理的に導き出す能力が求められます。これにより、受験生は社会の多様な問題に対応できる力を養います。

 

表現力
自分の考えを論理的に構築し、適切に表現する力が重要です。記述式問題では、答えが一つではなく、どのように考えたか、その理由を説明することが評価されます。

 


 

以下に、答えが一つではないような二次試験の記述式問題の例をいくつか挙げます。

 

これらの問題は、受験生の創造力や論理的思考力を評価するために設計されています。

 

1. 東京大学
問題例: 「ある架空の新興企業が導入した新技術がもたらす社会的影響について、ポジティブな面とネガティブな面をそれぞれ考察し、どちらの面がより重要かを論じなさい。

解説: この問題では、新技術の社会的影響についてポジティブとネガティブの両面を考察することが求められます。答えが一つに決まらないため、受験生は技術の影響を多角的に分析し、自分の立場を明確にする必要があります。

 

2. 京都大学
問題例: 「2030年の都市交通システムを設計するにあたり、持続可能性と効率性を考慮した計画を提案し、その利点と課題を論じなさい。

解説: この問題では、未来の都市交通システムの設計に関する提案を行い、その計画の利点と課題を述べることが求められます。提案する内容やアプローチに正解は一つではなく、どのように持続可能性と効率性を考慮するかが重要です。

 

3. 大阪大学
問題例: 「ある特定の環境問題に対して、技術的解決策と政策的解決策をそれぞれ提案し、それぞれの長所と短所を比較しなさい。

解説: 環境問題に対する技術的と政策的な解決策を提案し、それぞれのアプローチの長所と短所を比較する問題です。解答は一つに決まらず、提案の内容やその評価が重要です。

 

4. 名古屋大学
問題例: 「歴史的な出来事が現在の社会に与える影響について論じ、特定の出来事が現在の社会問題にどのように関連しているかを説明しなさい。

解説: 歴史的な出来事が現在の社会に与える影響を論じる問題です。どの出来事を選び、その関連性をどのように説明するかは受験生の自由であり、解答に正解は一つではありません。

 

 

 

 

最近の国公立大学の二次試験では、記述式の問題が増えており、その重要性が高まっています。

 

これらの問題では、単なる知識の暗記ではなく、深い思考力や論理的な判断力が求められています。

 

記述式の問題は、複雑で多面的な内容が多く、答えが一つに限らないことがよくあります。

 

たとえば、いくつかの情報を組み合わせて、自分なりの見解を出すことが求められます。

 

この過程では、AIでは難しい人間独自の直感や創造的な考え方が重要です。

 

単に正しい答えを出すだけでなく、その答えに至るまでの論理的な理由やプロセスを説明することが評価されます。

 

以上のことから、2025年度の大学入学共通テストでは、知識の暗記だけでなく、深い思考力や論理的な判断力を重視するために試験内容が大きく変わることが明らかです。

 

これにより、受験生は単なる情報の記憶にとどまらず、複雑な問題を多角的に考え、論理的に説明できる能力が求められるようになります。

 

 

 

 

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守田 智司

愛知県蒲郡市にあるハイブリット学習塾/未来義塾の塾長。10代で愛知県から大阪、東京まで自転車で走破!大学中は、バックパック1つで、アメリカ1周。卒業後、アメリカ・アトランタにて「大工」を経験。帰国後15年間、大手進学塾の教室長・ブロック長として教壇に立ち、2005年独立。 大型自動二輪、小型船舶2級免許所得。釣り、ウォーキングが好き!作家は、重松清さん、音楽は、さだまさしさんが好き。「質より量より更新頻度」毎日ブログを更新しています。