塾講師(二十年後)の通知表
二十年後の通知表
もし塾講師に通知表があるとするならば、
それは生徒たちが大人になってからの感謝の言葉に他ならない。
子供たちの通知表といえば、国語、数学、英語、理科、社会など、9教科にわたる。
成績は定期的に評価され、学期末ごとに5・4・3・2・1という数字で表されるものだ。
結果を見て、次のテストではもっと頑張ろう、ここは改善しようと自らの学びを振り返り、努力を重ねる。
その過程で、時には「結果が出ないならもうやらない」と、ふてくされることもあるだろう。
それでも、数ヶ月の努力の結果が目に見える形で数値化されるのが、彼らの通知表である。
一方で、塾講師の通知表は、数ヶ月や1年、2年で出るものではない。
ともすれば、5年後・10年後、もしかしたら20年後に初めて目に見える形で表れるのが、塾講師の通知表なのだ。
15歳という多感な時期の中学生たちに対し、自分の持てる力の限りを一人一人に注ぎ込むような姿勢で向き合う。
その結果というのは、彼らが成人し、就職し、家庭を持ち、自分の子供が生まれた時にようやく形になる。
もし「あの先生に教えてもらってよかった。今の自分は、あの時の先生のおかげだ」と言われた日には、それこそが塾講師としての最高の通知表となる。
塾講師という仕事を1年、2年で辞めてしまう方もいる。
意外と塾業界の仕事はハードで、2~3年で会社を辞める新人は少なくない。
知られていないかもしれないが、離職率の高い業界なのだ。
もちろん、それは仕方のないことだ。
しかし、早期で塾講師を辞めてしまった人には、残念ながら10年後や20年後になって、このような通知表をもらうことはできない。
先日、晃詳君と昔教えていた教え子や教室の話をしながら、懐かしい思い出に浸っていた時のことだ。
その中で話題に上がったのは貫君の名前だった。
私はそのことをブログの記事に書き、Facebookに投稿した。
すると偶然にも、その貫君が私のブログを読み、当時の私たちへの思いを綴ってくれていた。
私の中学時分にとてもお世話になった塾講師のお二方。
今の人生において、社会人とはという大切なベクトルの向きを教えていただいたと言っても過言ではないと思っています。
英語と地理好きな時分にとって、進学塾TEPで出会えた教師の方々にはかなり影響受けており今でもます。
(親にも塾代お金払ってもらってたし、もっと師の仰せの通り勉強してたらもっと未来は変わってたかもしれないと過去の時分に言い聞かせたいのは秘密です 笑)
様々なことを教えてくれた、TEP講師に出会えて本当に良かったなと思います。
これも何かのご縁、感謝しかありません。
という彼の一文字ひと文字に、胸の奥に熱いものがこみ上げてきた。
もちろん、当時は通知表に1や2という評価をつけられる生徒もいたかもしれない。
いや、実際にそういう生徒のほうが多かったかもしれない。
人間なのだから、誰もがいい評価をつけてくれるわけではない。
それでも、こうして20年経った今、当時の生徒からメッセージをもらえるということは、何にも代えがたい喜びであり、塾講師としてのやりがいを再認識させてくれるものだ。
貫君、温かいメッセージを本当にありがとう。
お世話になったなんて言ってもらえて、当時の自分たちの思いが少しでも伝わっていたんだなと、嬉しさと感謝の気持ちでいっぱいです。君が今の社会人としての姿勢にまで、塾での学びが繋がっていると聞いて、教師としてこれ以上ない喜びを感じています。あの頃、一緒に過ごした時間が、少しでも君の「社会人としてのベクトル」に役立っていたなら、私たちの努力も報われます。
今こうして前向きに振り返り、素直に自分の経験を受け入れている貫君は、まさに立派な社会人だと思います。これからも自分の道を信じて、どんどんチャレンジしていってください。私たちもずっと応援しています。進学塾TEPでの時間が、君にとって大切な思い出であったこと、そして今もその縁が続いていることに感謝します。
お互い、これからも頑張っていきましょう!
昨年、進学塾TEPの松下会長と社長とご一緒させていただく機会がありました。
酒を酌み交わしながら、会長がこう言いました。
「守田君、60歳になっても塾はやめちゃダメだよ。続けないとね。」
あのときは、なぜそのような言葉を掛けてくださったのか、その真意を理解できずにいました。
しかし、今になって思えば、会長はこの瞬間を予感していたのかもしれません。
会長、ありがとうございます。
ぜひ、またお話を聞かせて下さい。
私にとって、教え子が贈ってくれた「塾講師(二十年後の通知表」は、何よりも大切な宝物です。
彼がこの先の人生で、自分の道を歩む中で、私の教えが少しでも役立ったと感じてくれる日が来ることを願ってやみません。
晃詳先生との会話の中で、
「当時のまだ若い未熟な私たちから、どんな影響を受けたんでしょうね?」
その言葉が耳から離れない。
あれから20年。
私たちはそれぞれの人生を歩み、再び同じ時を共有することができるようになりました。
今度、あの教室で交わした言葉や想いを、再び確かめ合う日が訪れることを願っています。
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守田 智司
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