英語力アップには環境がカギ!【注目】新設される愛知県私学の国際化への取り組み。国際高校(2022年9月開校)愛知高校「国際教養コース」(2024年新設)清林館中学校 (2024年開校)
中学校の英語の教科書が2021年4月から変わって、
英語が難しいと感じる生徒達が増えています。
理由は、英語の難易度が大幅にアップしたからです。
改訂前は、中学校3年間の卒業時までに、英検3級。
高校生のうちに2級取得が目標でした。
それが、改定後、中学生のうちに英検準2級、
高校生のうちに準1級が取得目標に変わりました。
そのため、新教科書では、高校課程で学習していた仮定法や現在完了進行形などの文法事項が、
中学校の学習内容として加わりました。
また英単語数は、中学校で1200語、高校で1800語、高校卒業時で計3000語でした。
2021年の学習指導要領では、
小学校で600語~700語、
中学校で1600語~1800語、
高校で1800語~2500語、
高校卒業時で計4000語~5000語と、
最大で2000語も増えることになります。
ではなぜ、中学英語の教科書改訂が過去最大規模になったの?
文部科学省の「小学校における英語教育の現状と課題」の報告によると、
世界ではグローバル化が進んでいて、
物流や情報だけでなく人やお金も国境を越えて動いています。
そのため、国際的な共通語である英語でコミュニケーションができることがとても重要だといっています。
現在、学校や仕事、趣味など、あらゆることがグローバル化して情報もたくさんある時代。
そんな時代に英語ができるっていうのは、選択肢をたくさん持てるってことになるわけで・・・
例えば情報を集めるとき、インターネットを当たり前に使います。
でも実は、そのインターネット上で使われている言語の大部分は英語。
ある調査では、世界のウェブサイトの60%以上が
英語で使われているって結果もあるんです。
実際、英語を母語とする国は約60か国あります。
これには、イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどが含まれます。
ただし、英語が公用語や準公用語として使用されている国はさらに多くあって、
たとえば、インド、シンガポール、フィリピン、マレーシア、南アフリカなどが英語を公用語としています。
また、国際的な組織や機関でも英語が共通語として使用されています。
そんな中、日本の人々の英語力は他のアジアの国に比べても非常に低く、
TOEFLやTOEICの平均スコアでも下位に位置しているといわれています。
世界50カ国以上に拠点を置き、16カ国で語学学校を展開するEFという語学学校が
約80カ国100万人のデータを基に、国別の英語能力ランキングを発表しているのですが、
その2022年版のランキングでは、
日本は112か国・地域中80位。
隣接国の中国(62位)や韓国(36位)から差をつけられる結果が出ています。
こういった現状を改善していこうと、文部科学省は2021年から大きな教育改革を実施。
具体的には、
小学校で英語を必修科目にし、
3・4年生ではまずは英語に触れる体験を「外国語活動」とし、
5・6年生からは「英語」という教科として本格的に学ぶことを始めました。
「留学」に力を入れ始めた政府!
日本人の英語力を底上げするためには、中学校から始めていたらダメ!
小学生の内から早期英語教育で英語に触れさせようと考えた文部科学省。
そして、英語の底上げのためにもう一つ力を入れ始めたことがあるんです。
それが、「留学」
将来の日本の若者が国際的な舞台で競争に勝ち、
学術研究や文化・国際貢献でも世界で活躍できるようにするために、
留学の機会を増やし、
本物の国際人材を育成するための取り組みを行っていこうと考えたわけです。
実際、政府は2033年までに、外国から来る留学生の数を40万人に増やし、
日本人学生の海外留学者を50万人にする目標を掲げました。
実際に岸田文雄首相は、教育未来創造会議でこの目標を公表しました。
国は2008年から留学生30万人計画を始め、2020年までに外国人留学生の受け入れ体制を強化。
2019年には約31万人の留学生を受け入れました。
その一方で、コロナ禍前の日本人留学生は約22万人。
現在、コロナ禍で人の移動が制限されていた状況が回復してきたことや、
他の国との競争で優秀な人材を確保する必要性が高まって来ていて、
この新しい目標を打ち出しようです。
具体的には、若者が海外留学に関心を持つように
民間企業と協力して「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」を展開しています。
また、国費を使って海外留学を支援し、学生たちの経済的な負担を軽減することにも取り組んでいます。
こういった流れの中、愛知県の私学も動き始めています!
1つ目は、
愛知県の私立高校としては27年ぶりの設立の国際高校
国際高等学校は、男女共学のボーディングスクール。
ボーディングスクールとは、生徒が学校のキャンパス内に寮生活を送りながら学ぶ学校形態のこと。
名古屋商科大を運営する栗本学園が2022年9月に日進キャンパスの一角に開校。
日本語(国語)を除くすべての授業を英語で行い、
全員が修士または博士号を有する多国籍教員。
教員の7割、生徒も半数ほどが外国人。
国際的な大学入学資格「国際バカロレア」ディプロマ課程提供。
ディプロマとは、学位や資格を示す証明書のことです。
愛知県で新たな全日制高校の開校は、実に27年ぶりで、
こうした高校は国内で3校目だそうです。
2つ目は、
愛知高校「国際教養コース」(令和6年度新設)
こちらは、愛知高校が令和6年 4月、普通科「国際教養コース」を新たに設置するようです。
興味深かったのは、海外教育プログラムとして、
1年次に夏期休暇を利用した5日間のカンボジア研修を行い「アジアの中の日本」について学び。
2年次には1ヵ月間のカナダ研修を通して「世界とアジア」という視点で学び。
そして希望者は、半年または 1 年単位の中長期留学を選択することができる点。
そして、1番の特徴として、
中長期留学を選択した場合でも 3年間での卒業が可能という点です。
私の娘も高校の時に、学校を1年休学してカナダに留学していましたので、
留学期間も入れると実質高校生として4年間を過ごしています。
これが、留学を含めて3年間で卒業できるのは大きな魅力だと思いました。
そして、最後の3つ目
創立100周年に向けて2024年春に中学校開設!清林館中学校
2025年に創立100周年を迎える清林館高校。
その記念事業の一環として、2024年4月に中学校を開校予定。
英語教育に力を入れる清林館では、長年培ってきた留学・語学研修のノウハウを生かし、
中高一貫ならではの特別プログラムとして、
イギリス語学研修や、1年間留学をしても中高6年間で卒業できるプログラムなどを用意しているそうです。
守田 智司
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